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2014年5月山本 遼

【007】合い言葉は、ポッパナーエェ

遅ればせながら、カンボジアの社会貢献の続きを・・・。
前回のブログでは、ベトナムからカンボジアに入るまでと展示の搬入・設営までを追っていったので、
今回は展示の時の様子を簡単にお届けしよう思う。

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展示会場となるチャースモウ小学校の校舎は、3つの教室に分かれていた。
私たちは考えたあげく、それぞれの教室の廊下の壁をオーストラリア、ニュージーランド、
中南米といった南と東側の国々のブース、日本、中国、インドなどアジア圏のブース、
フランスやスペインなどのヨーロッパブースに分けて写真を展示した。
写真は上下2枚組で、その間には国旗とその国の挨拶の言葉が書いてある。
例えば、日本でいえば「こんにちは」、英語圏であれば「HELLO」といった具合に。
そして、世界地図と照らし合わせるために番号も書いておいて
地図を見ながら場所が分かるようにもした。
大人には少し見づらい位置になってしまったが、
今回の写真展は子どもたちに見てもらうのが第一優先なので、これで良しとしよう。

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連日、沢山の子どもたちが来てくれた。
英語を話す子はほとんど居なかったが身振り手振りで説明すると分かってくれるようで、
クメール語で書かれたキャプションも見ながら「ウン、ウン!」と頷いてくれた。
一度説明した子は、次に見に来る子にかけよって
「これは、あの地図の番号とつながっているんだ!」とか
「日本の挨拶は、“こんにちは”というらしいよ!」とか自分から積極的にやってくれる。
字が読めない子がそばに居ても、代わりにクメール語を読んでくれたりする。
「なんて優しい子たちなんだろう」と感動しながら私も一緒になってクメール語を発音した。

子どもは何でも遊びに変えてしまうようで・・・
写真を一通り見た子たちが何やら変なポーズをしだした。
あーでもない、こーでもない。男子5、6人が集まってポーズをする側と指示する側に分かれていた。
「何をやっているの?」と聞くと、一人の男の子がタイの神様の写真を指差した。
なるほど、同じポーズをしたかったのね。
すかさずカメラを向けるとポーズをしたまま笑顔になって答えてくれる。
それまで写真を見ることで世界に興味を持ってほしいと思っていたが、
実際に行ったことがなくても、声に出してみたり、体で真似してみたりすることで
理解を深めることもできるのだと改めて感じた。

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正直不安はあった。
不安といっても私が感じていたのは、
「この企画は本当に面白いのか」「見てくれた子どもたちは面白いと感じてくれるのか」ということ。
結局、興味を持たれなければ見る側もサーッと流し見で行ってしまうし、
私たちが去った後も彼らの記憶には残らないかもしれない。
でも、そんな不安も展示最終日に向かうにつれて無くなっていった。
もちろん写真以外にも自分から声をかけて説明をしたり、
それでは伝わらないと思ったら絵を描いて見せたり、
そんなさまざまな工夫も自信に繋がったんだと思う。
子どもたちは一生懸命に写真を見てくれ、自分のお気に入りの写真も見つけていた。
世界は刻々と変化している。アジアなんて、2、3年経てば様変わりだ。
彼らが大人になった頃、写真に写っている風景は変わっているのかもしれない。
もし彼らの中の誰かが写真と同じ場所に立った時、この展示を思い出してくれたら嬉しいと思う。
あの時感じたであろう驚きと好奇心を思い出しながら、
実際に自分の目の舞いに広がる世界に更なる何かを感じるだろう。
そんな淡い期待を抱きつつ、小学校を後にした。
写真展を通じて逆に自分が学ぶことの方が多かった。
これも協力していただいたHEROのスタッフの方々、
それに写真を提供してくれた学校の友達や先輩方、
困った時に相談に乗ってくれた引率の冨田先生、
そして、見に来てくれた子どもたち、先生、村の人たちのおかげです。
ありがとうございました。

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オークン!!

いよいよ次はタイへ。
お腹を痛めた一週間とピピ島の話をお楽しみに。