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2018年8月南園 彩音
センベーノ 屠殺について
今回は、羊の屠殺について。
少し重い内容になります。
私は今回初めて屠殺をしているところを見ました。
アジア学院での鶏の屠殺の見学は断ったのですが、
今回は、行く前から覚悟を決めていきました。
遊牧民とともに生活するなら、
彼らの生活に欠かせないことだから
必ず見ておかなくてはいけない。
そう思ったからです。
血の色が苦手な方もいると思うので、あまり写真は載せません。
羊を2人がかりで引っ張ってくるところから始まりました。
なんと、一人は10歳前後の男の子。
遊牧民は子供のうちからなんでも教わるそうで、
嫌な顔せず、むしろ嬉々として押さえつけていました。
慣れた手つきでした。
正直、ナイフを入れたのを見た時は現実味がなかったんです。
思いの外暴れず、泣きもせず
そのままされるがまま
でも、関節の骨をありえない方向に、
簡単にパキッと折った時、
ああ、今、モノになった。
とても冷静に、そう思いました。
生き物がモノになった瞬間を私は目撃したんだな、と。
喉から溢れる辛そうな空気の音と
骨を折る音
忘れることはないと思います。
屠殺が行われているすぐ隣で子供たちは遊んでいる。
今回選ばれなかった羊の群れはのんびり草原の草を食べている
どこか異様な光景でした。
ここはなんて生と死が近いんだろう。
このフィールドワークでは、生と死についてよく考えさせられます。
モンゴル人は、余すことなく全てを使います。
毛皮は服に、肉はもちろん血も一滴残らず調理して食べます。
命に感謝して、とはこういうことなんだろうなあ
本当に丁寧に時間をかけて調理をしていました。
正直見るのはしんどかった。
でも見ておいて良かったと思います。
今回、シリンホトではアラタンホヤガさんの協力のもと、
たくさんの方々にお世話になりました。
皆さん、本当にありがとうございました。