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2016年7月涌井 駿

午後の虫

今回のインド僕は体調も大丈夫でしたが体調を崩すクラスメイトは少なくありませんでした。熱を出したり入院したり寝込んだり、下痢だけで済んだ僕は幸運です。きっと福島の土を食べせらてたからで、3秒ルールを続けていた結果、インドの菌に強い身体に育ったに違いないです。軽くなら落ちたものも食べるのでこれからも続けていきたいです。そうして少しずつ菌を身体に入れてもっと強い身体へと進化していきたいです。

けれどお腹を壊すのは昔からで牛乳を飲んでもお腹を壊すし、冷たい飲み物でもお腹を直ぐ壊してしまいます。食べたら直ぐ出る、なかなか締まりがわるい。(ラクダと一緒)なので日々それを我慢することがあります。車の中、バスの中、移動中に不祥事があってはいけないので食べず飲まずに移動に挑む事が多いです。今まで1番我慢したのは高校生の時でした。
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それはある晴れた夏の日の午後だった。夏の太陽は強い光で僕らのいる白い校舎を容赦なく照らしていた。カーテンを閉めても陽射しはやむことはなく、進まない鉛筆を持つ手の影を真っ白に輝くテスト用紙にくっきりと写し出していた。ジリジリと暑く額に落ちる汗とエアコンのカビ臭く冷たい空気は僕に気持ち悪さを感じさせた。
体育館近くの部室の辺りにいるであろうセミの鳴き声が聞こえ出した。
クラスメイト達がカツカツと鳴らす鉛筆の音は兵隊達のブーツが列を作り始じめた時の足跡の様に聞こえた。歩けない僕は列に入れず汗りだすが足が踏み出せず彼らをただ遠くから見ることしか出来ずにいた。
セミの鳴き声はどんどん大きくなり早くなっていった。そして僕のお腹の虫もそれに合わせ鳴き始めた。
鳴いては止み鳴いては止み、僕を僕自身が煽ってきた。波のように引いては押し寄引いては押し寄せ、まるで僕がもがき苦しむ姿を愉しんでいるようでもあった。

足の指は地面に食いつき襲ってくる波に耐えるかのように力が入り、2つの脚は机の足より硬く直立に伸び、脚の肉の筋が1つずつ収縮し、紺色のズボンには腿から垂れる汗が染み込み、臀部は開かぬ貝のごとく、決して割れることのない海のように、それは穴がない宇宙のように1つの完璧な尻と言うだけの肉体の役割を果たしていた。

その時の僕の身体は内側からこみ上げる黒い波に耐えるためだけのテトラポットになり、精神は波を見るための灯台になっていた。時の音の終わりを知らせるチャイムが鳴った、気づくと僕は机の四角を強く強く絞めていた。その時、黒い波は息をしていなかった。青白く黄色い手の平にはびっしりと小さな汗をかいていた。