BLOG

2016年7月涌井 駿

写真刑事~見えない犯人との戦い~

ヒンヅー教の聖地、聖なる川、死者を流す川、沐浴の川、洗濯物を洗う場所、インドはヴァラナシに来ています。インドでも有名なガンジス川が流れているところです。イメージの通り川は想像以上に汚く、牛と犬と山羊が糞をして、子供も糞をして、ゴミを川に流して死体までも川に流すガンジス川。けれども川に流れるエネルギはーそんな汚さをも飲み込み一つの大きな線になり流れています。

 

DSC06075blog「あゝガンジスよ、そんなあなたに私は浸かりたい」と言いたいとけれど僕は浸かりませんでした。4,5年前海に入っていたら右肘に悪性の腫瘍ができる感染症にかかり切除するハメになったことがあり、それ以来少し怖くなってしまいました。そんな汚さを物ともしないインドの人々の身体と心は強いです。けれど川を見るぶんにはいくらでも眺めていられる川です。子供はプールのように川を使い、カップルの憩いの場としての川にもなりインド人の心の川はやっぱりガンジスなんだと感じます。そう言うような人々に信頼される川はいつまでも長生きしそうですね。

DSC06081blog

何を書けばいいのかヴァラナシについてはあまり書けません。書けないことだってあるんですね。思い出される事がないとか、町に何も無いとかじゃないんです。

DSC06172blog

そこに住んでいる沢山の奴らが僕の目をこじ開けてどんどん入ってくるんです、ノックもしないで突風のように入ってきてドガッと腰をおろすんです。なんだなんだと思って覗こうとするとそこに奴は居なくて「なんだ気のせいか」と思うとまた別の奴が入ってくる。そうやって僕には見えないように色んな奴が踊ったり回ったり転がったりしながら、それでも決して僕には見られないように目に入ってきます。そして僕は覗いても見えない「奴ら」の重さだけを感じ、奴らの吸いかけの煙草や飲みかけのコーヒー、ドーナツの袋を見つけては、奴らはここに居たんだなと思い、僕はそれらを写真に撮る。

DSC06029blogまるで奴らは証拠を残しておいて探してごらんと言ってる愉快犯のようで、そして僕は犯人を追いかける一人の新米刑事なのであった。

DSC06063blog