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2014年7月山本 遼
【010】不便を辛いと思うなかれ
この記事に関して、
来年か再来年か僕のように都会というよりは
田舎が撮影地になる後輩たちに送ろうと思います。
今回書く話の中心となるのは「SIMフリー」です。
今日本でも「SIMフリーiphone / ipad」などがニュースで話題になるようになりました。
では、まずSIMフリーとは何なのか説明しましょう。
通常、日本の携帯電話にはSIMカード(Subscriber Identity Module Card)と呼ばれる
電話番号などが記録されたICカードが最初から入っています。
日本では、販売店が新規顧客を獲得するたびに、
キャリア(Softbank、Docomoなど)が一定の奨励金を支払うシステムが一般的で、
0円携帯などもその一種。
だから、長期契約を確保することによってその差額を埋めることになるのだけれど、
キャリアが金を回収するまで、他キャリアへ乗り換えたり
機種変更しないような仕組みを維持することが必要となります。
そのために特定のSIMカードにしか反応しない
「SIMロック」と言われる機能を搭載した携帯が編み出されました。
だから、無理矢理SIMを携帯から剥ぎ取って、他の携帯に付けたって作動しません。
というのが、日本の携帯電話事情。
で、アジアではそういったSIMロックが最初からかかっていない携帯(SIMフリー携帯)を
皆一台購入して、どこかのキャリアのSIMカードを買って、
自分が通話したい時間分の料金をチャージして使っています。
まあチャージした料金が無くなったら、コンビニでまたチャージして、
無くなったらまたチャージしてみたいな。
分かりやすい例でいえば、日本のsuicaみたいなもの。
あれも中の残高が無くなったら、その都度発券機でチャージするでしょ?
というのが、アジアの携帯電話事情。あーなんて経済的。
じゃあ、何故FWでSIMフリーの話などするのか。
皆持っていくのは少なくとも海外でも使用できるiphoneなどだと思います。
でも、海外で使えると言ってもその使用料金は目が点になるほど高く、
使ってしまった時には請求書を見るのが恐怖でたまらないです。
(Wifi下でSkypeとかLINEを使えば大丈夫だけどね。)
これもまたSIMロックが原因で引き起こされている問題なのだけれど、
もし辺鄙な場所へ撮影に行く人がいれば必ず一つはSIMフリーの携帯を持っていた方が良いです。
そうすれば現地のキャリアのSIMカードを入れて、
電波はビンビンだし(居る場所にもよる)、料金だってチャージした分だけだし、
何たって定時連絡も遅れることなし(一番重要)!
FWコースではSIMフリー携帯の使用を許可されていて、
先輩の何人かも現地で携帯を買ったと言っていました。
ちなみに今回9期では僕と山下がSIMフリー携帯を持っていますがどちらも秋葉原で購入しましたよ。
ここからはSIMカードの購入方法です。
これまで山本はいくつかの国でSIMカードを購入してきましたが、
特にインドやネパールが難しかったので少しレポートします。
まずは、持ち物からです。
インドやネパールでSIMを買う場合、手続きには以下の3点が必要になります。
① パスポートのコピー
② VISAのコピー
③ 顔写真1〜2枚
この3点については出発前に先生から何枚か渡されると思いますが、
もしコピーなど途中で使い果たしてしまった場合は、
町中で「XEROX」と掲げたお店を見つけてください。そこで大抵のものがコピーできます。
以上の3つを手に入れたら、念のためにパスポート原本も持って
「SIMcard」あるいは「airtel(インドのキャリア)」、
「Ncell(ネパールのキャリア)」などの携帯会社の看板を掲げたお店を町中で探しましょう。
すると、いくつかそれらしいお店を見つけられると思います。
ショーケースに入ったいくつもの携帯電話と、壁に並べられた携帯ケース。
看板には「SIMcard」「airtel」「Ncell」と書いてある。
しかし、そこではありません。
いや、正確にはそこであっているんですが正規のショップじゃないと
店員が手続きするのをめんどくさがって「SIM?うちにはない、ない。」と言われるのがオチなのです。
だから、正規のショップのようなところを探しましょう。まあ分からなかったら数打ちあたります。
といっても結構このSIMカード探しが一苦労なので、指定泊初日などガイドさんがいる場合は
一緒についてきてもらったりした方が楽に手に入ると思いますよ。
そして、正規ショップを見つけたら店員にSIMカードを購入したい旨を伝えてください。
ここで恐らくさっき挙げた3点があるか確認されるので見せましょう。
もしかすると、自分でコピーしたものでは取り合ってもらえない可能性があると思いますが、
その場合は店員が自らコピーを取りにいくと思うので、
一応変な所をコピーしないか一緒に見ながら事が終わるのを待ちましょう。
手続き自体は店員に任せれば全部やってくれます。
国によっては料金プランをこちらから指定する場合もありますが、
滞在日数を伝えれば大丈夫です。
あとは束になったSIMカードの袋から好きな電話番号のものを選びます。
電話番号は袋の裏面や片隅に明記されているので必ず確認してください。
選ぶ際のポイントですが、なるべく同じ数字が並んだ分かりやすいものにした方が良いです。
何故かと言えば、購入後に先生へ電話番号をメールで伝えなければならないので。
覚えにくいものよりは覚えやすいものを選んだ方が何かと楽だと思います。
そして、選んだSIMカードの袋と携帯を店員に渡してください。
ほとんどの携帯は電池パックの裏にSIMカードを入れる所があるので、
もし店員が見つけられなかった時は「ここ!SIM!」と教えてあげましょう。
SIMが入るスペースの大きさによってカードをカットする場合もあります。
僕の持っていた携帯は小さいカードしか入らなかったので、
専用のカッターで切ってもらっていました。
無事にSIMカードが挿入できたら後はアクティベイトをします。
この時、携帯の言語設定を英語にしていると店員が困らずに済むので
前もって設定しておいた方が良いです。
大抵、メニュー画面から設定を押して、ネットワーク接続の項目を押すと
SIMを読み込んでキャリアの電波を拾ってくれるようになります。
メニュー画面に戻って電波のタワーが立てば通話可能のサインです。
最後に電話番号が書かれたSIMの袋をちゃんと返してもらってください。
以上のような流れでSIMカードは購入します。
あとは正規のショップでもキャリアの看板を掲げたショップでも
通話料金をチャージするリチャージカードが売っているので
その国でどれだけ通話しそうか想定して購入してください。
ほとんどの場合、コインで削るスクラッチ形式になっていて
出てきた番号に電話をかけるとチャージされます。
もしやり方が分からなければ店員やガイドさんに聞いてみてくださいね。
僕はネパール滞在中ずっとネットの繋がらないような山中に居たので
SIM携帯には色々と助けてもらいました。
しかし、キャリアによっては電波の強いエリアと弱いエリアがあるので
できれば事前に自分で調べたり、現地の人に聞いて確認した方が良いです。
国によってはいくつかキャリア別でSIMカードを購入しておいた方が無難かもしれません。
撮影する辛さはどのテーマでも同じだと思いますが、
都会組よりも田舎組は撮影以外の部分で何かと大変な思いをすることが多いです。
このブログがどれだけ役に立つかは分かりませんが、
同じ苦しみを味わうであろう田舎組の後輩たちの助けになれば幸いです。