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2014年7月岸本 絢

カトマンズ盆地紀行(1)

改めまして、いつの間にやらNPIネパール広報部長に就任させて頂きました、大阪府出身、東京都在住の24歳、岸本絢です。ネパール滞在中のブログでは、この国の良さをお伝えすべくカトマンズ周辺一帯を旅したお話を紹介していきます。よろしくお願致します!
今回はカトマンズ盆地紀行第一章、ボダナート・パシュパティナート編をお送りします。
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カトマンズ盆地とは、ネパールの首都カトマンズのある盆地一帯のことで、1979年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。その昔、この盆地は湖で、文殊菩薩がその湖の周りの山を剣で切り開いたという神話が残されています。近年の調査により、この地は実際に湖であったこと、またその湖の南側で地震が起こり、湖の水が排水されて今のカトマンズ盆地となったことが明らかになりました。
まず訪れたのはチベット仏教徒の主要な巡礼地であるボダナート。ボダナートに向かうには、タクシーで600Rsかかります。料金は大阪のタクシー初乗り運賃ほどなのですが、ローカルバスの値段を見てみると、20Rs。約20円ほどで6km走って頂けるのです。安い!ということでローカルバスで移動してみました。とはいえカトマンズのローカルバスの乗車率はすごいもの。小さなバスにこれでもか!というほど人を乗せて走ります。まあ隣の人との距離が近いこと近いこと。とはいえこれもまたなかなか楽しいのです。
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サリーの奥様方に囲まれ40分ほど揺られてボダナートに到着。バス停からすぐのところにストゥーパのある広場が広がります。高さ36mのネパール最大ストゥーパがあるこの地は、カトマンズから東へ約6kmほどの場所にあります。ストゥーパとは仏塔のことで、それ自体がマンダラの構造をなしており、地、水、風、火、空という宇宙を構成する五大エネルギーを象徴しています。ストゥーパにはタルチョと呼ばれる5色の祈祷旗が掲げられており、一つ一つに経文が書かれています。それぞれの色が五大エネルギーを表します(地は黄色、水は緑、風は白、火は赤、空は青)。
みんな時計回りにぐるぐる歩いてます。わたしもみんなの真似をしてぐるぐるやります。
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ここで、ストゥーパの上の方でお兄さんたちが何かやってるのを発見。気になったので右回りぐるぐるを中断して上に登ることに。
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何かペンキのような物を運んでいる模様。
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気になって仕方ないので、働いていたおじさんを捕まえて何してるのか聞きました。
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どこから来たやらもわからん小娘にも親切に教えてくれます。満月の日にはこうやって黄色のペンキを塗るんだよ、夜にはお祭りをするんだ!と。なるほどなるほど。そして気付けば働いていた輩たちが私の周りに集まってストゥーパに関する色んなお話をしてくれます。それが雑談に発展し、写真撮れとれ、いや俺らが撮ってやる!とまあ楽しいことに。みんなお仕事の手を止めてわちゃわちゃやり始めます。
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仕舞いには、ほんとは立ち入り禁止なんだけど上行って良いよ!写真撮って来な!と言って、上まで上がらせてもらえることに。ほんとに良い人たちです。ありがたや。お礼と言っては何ですが、このペンキ運びを少し手伝ってさよならすることに。その後、周辺にあるいくつかのゴンパ(僧院)を見つつ街を散策してカトマンズに戻りました。
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疲れている暇もありません。写真を撮る者、体力なくして良い写真なんて撮れる訳がない!ということでタメル地区にあるゲストハウスで1時間お昼寝をしてからまたバス乗り場へ向かいます。お昼寝は大事です。次はネパール最大のヒンドゥー教寺院のあるパシュパティナートへ。
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ヒンドゥー教三大神であるシヴァが滞在したと言われるこの地は、1500年以上も前からヒンドゥー教徒の巡礼地となっています。ここにはインドのガンジス川の支流となるバグマティ川が流れており、川岸には火葬場、アルエガートがあります。インドはバラナシにあるマニカルニカーガートにも訪れたことのある私。火葬されている人間を見る免疫はついているのですが、ここアルエガートはバラナシの火葬場より遥かに生々しい。火葬されている薪のすぐ近くまで寄ることもできるし、親族の方々の表情や態度を間近で見ることも。観光地化され過ぎているマニカルニカーガートとは打って変わって、よりリアルな習慣の一部を目にすることができました。
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火葬場近くには葬られている方の親族以外にもたくさんの見物人が。
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すこし階段を上ったところで様子を眺めていると、こんな見物客まで。とはいえ火葬されているとはつゆ知らず、互いに毛繕いをし合っています。のんきなもんです。
ここにあるパシュパティナート寺院にはヒンドゥー教信者しか入れないため、私は火葬場をじっくり眺め、このあたり一体に広がる森を散策。いくつかあるお寺も外から見ることしかできないので、目の前を通るだけ通って帰りました。そしてカトマンズのゲストハウスに戻り、パシュパティナートのことを思い返して気付いたことが一つ。そういえば、火葬場の手前で取られるという入場料を請求されていない!ネパール人は無料で入れるパシュパティナートですが、外国人観光客は500Rsを払わないと入れないことになっています。わたしも日本人なのでれっきとした外国人なのですが、料金所なる場所にも気付かず、ずかずかと敷地内に入っておりました。ネットや旅行ガイド本を確認するとちゃんと請求されると書いています。おかしい。もしや、もしや。。。確かに道行くネパール人たちはちょっと濃いめの日本人の様。鹿児島の血が四分の一入っているため顔が濃く、生まれつき地黒である上、4ヶ月もアジアを撮影しているのでこんがり焼けている私ですが、まさか現地人に間違えられた?ということ?入場料を払わなくて済んだのはラッキーでしたが、なんだか複雑な気持ち。そしてその後の旅でこの疑問は確信へと変わることになりました。そのお話はまた次回に。次のブログは伝統工芸の素焼きもので有名なティミと古都バクタプルに訪れた模様をお伝えします!
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