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2014年5月岸本 絢

写真でできることの何かについて(2)

こんばんは、無事チェンマイからバンコクに戻った岸本です。
社会貢献活動レポートの続きを書きます。頑張ります。
話は遡って、タイはパヤオにある小さな村、センサイ村でのナイトスライドショー当日のお話。
この日は村でのスライドショーのために、撮影、スライド作成、設営、宣伝活動をこなさないといけない、とても忙しい日でした。村人たちともすっかり顔見知りとなり、タイ語、モン語、英語を交えながらのお喋りはもちろん、お家に招待されてご飯をごちそうになったり、少し歩くとまた違うお宅でごちそうになったり、またまたごちそうになったり、、、連日お腹いっぱいの撮影です。
ちょうど結婚式があるという事でパーティーが開かれており、お酒もたくさん振る舞われます。名前も知らない、言葉も通じない私たちに無償でここまでしてくれるのは、この村ならでは。本当にありがたい事でした。
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そういえばタイは私にとって初めての国。バンコクに到着し、想像を遥かに超えた都会の様相に正直とても驚きました。シェムリアップからの移動だったのでそのギャップは歴然です。そんな中、実はカンボジアからタイへ移動した初日、少し冷たい空気を感じてしまったのです。理由は簡単。カンボジアにいると首都プノンペンでも、目が合う見ず知らずの他人に対して、誰でも微笑んで会釈してくれます。それが、隣国に移動するだけで全くない。田舎ボケしていたのでしょう。東京に住んでいれば、すれ違う他人に笑顔を向けるなんてただの変質者。都会に行けば行くほど他人との距離が遠くなるのは当たり前なのですが、なんだか少し悲しい思いをしたのが正直なところでした。
けれどもこの村では笑顔で会釈どころか家族のような扱いをしてくれます。役所も交番も飲食店もコンビニさえもないけれど、優しくて温かい素敵な村です。この村がずっとこのままであってほしい、というのはきっと無責任な考えだと思います。けれども、人の温かみを感じられる空気をずっと保ってほしいと、切に願うのでした。
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さて、話が逸れたので村の撮影の話に戻ります。
村に入るとまず視界に現れるのが、芝生の敷き詰められたグラウンド。毎日14時を過ぎるとそこにヤギ使いのオヤジがやって来ます。たくさんのヤギ達を引き連れて、ご飯の時間に立ち合います。
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白い子やぎのユキちゃん
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山のオヤジ。写真を撮られるのが嫌いな様で、残念ながらそっぽを向かれ、、、
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そして撮影に終始ついて来てくれたのが上の写真にも登場している、相棒のジェフ
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勢力争いにはいつも弱腰です
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初めはシャイだった子どもたちとも仲良くなりました。
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写真を撮ってもらえるまでに。
そして時は夕方になりスライド作成と設営の時間。
のはずでしたが、これまでの撮影データを持ったまま撮影に行った山下くんがなかなか帰ってきません。スライドショー開始の2時間前になっても現れない。設営もスライド準備も手つかずでこの状況はまず過ぎます。雨が降るなか一人で村中を探しにいくことに。途中大降りとなり例の山のオヤジのお宅で雨宿りをさせてもらいながら探しました。そして雨が止みかけたので山のオヤジ家をおいとまして捜索を再開させようとした矢先、あるお家の軒先でへらへらしながらライチを頬張っている山下くんを発見。さすがのわたしも我慢ならんので、さっさと設営とスライド作成に取りかかるよう、強めに促します。
そしてやっとのことでスライド作成タイムに。と、思いきやまたもや事件が、、、
なんと例の撮影データの入ったUSBがないというのです。データがないのも大変な話なのですが、この日のために日本で購入し、FW中も3人順番交代で持ち歩いたプロジェクターは、USBがないと投影できないのです。これはさすがに困りました。ショースタートの1時間半前。ナイトスライドショー中止の危機です。さすがの私も言葉が出ません。しかし参っていても仕方ない上お説教する時間もありませんので、設営と並行しながら村人にUSBを持っている人がいないか聞き込みをし、お宅まで上がらせて貰い、探し出し、貸してもらい、当日撮ったデータをそこに移行し、なんとかスライドを作成しました。
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スライドショー会場はスコールが降っても大丈夫、というチェーンさんのアドバイスでこのミーティングルームで行うことに
(チェーンさんに関しては前回のブログ参照: https://pfw.npi.ac.jp/images_past/pfw2014/kishimoto/2014/05/10/)
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椅子もたくさん備え付けられていました
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その後もプロジェクターの調子が狂ったりでバタバタし、8時スタートのところを15分ほど押して、どうにかこうにか決行することができました。
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会場は満員御礼!
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子どもたちを始め、お年寄りや若いお兄さんお姉さん、お父さんお母さんなど多くの村人が駆けつけてくれました!会場に人は入りきらず、外で立ち見の人たちもたくさん!
正直、どうなることかと思ったこのナイトスライドショー。
最後までドタバタでしたがなんとかやり遂げることができました。
たくさんの村人たちの協力あっての社会貢献活動で、こちらがセンサイ村に与えたものがあったというよりは、多くのものを頂いた活動でした。本当に感謝、感謝です!
そしてほっとしている暇もなく、チェンマイでの写真展準備が始まります。
長々となってしまうので、そのお話はまた次のブログで書かせて頂きます!