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2014年5月岸本 絢

写真でできることの何かについて(1)

こんばんは、4カ国目となるタイに到着して早10日ほどが経ちました。
先日、パヤオからチェンマイに戻った岸本です。
タイでは社会貢献活動をすべく奮闘しております。
今回はその様子をお伝えしようと思います。
その前に、社会貢献活動とはなんぞや、という話なのですが、私たちはこの半年間で自分の作品撮りの他に、国を一つ決め、そこで写真を使って何かしらの形で社会に貢献できる活動をする、ということになっています。渡航前に二つのグループに分けられ、日本にいるうちに自分たちで企画を立て、できる限りの準備をして出発しました。
私のグループの考えた社会貢献というのは、
タイ北部にあるパヤオ県にスポットを当て、タイ第二の都市チェンマイでの写真展を通して紹介することで、県に観光客を誘致しようという企画です。パヤオには綺麗な湖や大きな寺、古い遺跡や少数民族の伝統的な暮らしが残る他、レストランや宿泊施設も豊富にあり、観光地として栄えてもおかしくはありません。しかし、依然としてまだまだ日の目を見ない状況なのです。私たちはそこに注目し、パヤオの良さを海外から来た観光客だけでなく、同じ国の都市部で生活する人にも知り、興味を持ってもらおうと思い、タイ北部のゲートウェイとなるチェンマイ駅で写真展をすることにしました。
そして先日までそのパヤオに滞在し、撮影をしてきました。
パヤオ県の中心部パヤオ市を拠点とし、撮影を行いますが、私たちが最も注目したのは、パヤオ市からバスで約2時間のところにあるポーン(Pong)からさらに車で30分ほど走ったところにあるセンサイ村です。センサイ村には、モン族という山岳少数民族が生活しています。モン族は、中国雲南から尾根伝いに焼畑をしながら小さな集落を作ってきました。そしてこのモン族は、伝統的刺繍技術を使った織物を織ることで知られています。私たちはこの美しい織物技術を含めた村の生活と、パヤオの風景で写真展を構成しようと決めました。
ここからはパヤオ、センサイ村での様子についてのお話。
6日、早朝。パヤオのバスターミナルへ行き、ポーンへ向かいます。
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2時間ほどバスに揺られ、ポーンに到着。しかしそこから15kmのセンサイ村へはタクシーどころかトゥクトゥク、ソンテウ(タイで普及している小型相乗りタクシーのようなもの)、バイクタクシーすらない事を聞かされていました。とはいえ何らかの形でセンサイ村まで辿り着けるだろうと、とりあえずポーンまで向かったのです。しかし、町に着き辺りを見回しても実際に足となるものは何も見当たりません。途方に暮れた私たちは、とりあえず視界に入った派出所に尋ねる事にしました。
運良く少しだけ英語が話せるポリスマンが駐在しており、センサイ村に行きたい事を伝えたのですが、交通手段は何もないよ、と言われてしまいます。しかし困っている私たちを見兼ねて、派出所中のポリスメン総出で話し合いをしてくれ、車で連れて行ってくれるおじさんを紹介してくれる事になりました。ラッキーです。ありがとう、ポリスメン。お別れの際、生まれてこの方日本人に会ったのは初めてだから、となぜか派出所前で記念撮影をする事に。なんだか一日署長になった気分でご機嫌にセンサイ村へと向かいました。(その時の写真は引率ブログに上がる事を期待しましょう!)
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グループ紹介が遅れましたが、こちら二人が今回一緒に活動する、FW9期最年長の山下くん(左、25歳)と、最年少の本田くん(右、20歳)です。左右、間違いないです。わたしはこんな男臭い中、なんとか頑張っている、と言った感じでしょうか。
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長閑な風景を横目にトラックの荷台に乗せられ30分ほど走ります。
そして村に到着。トラックのおじさんにある建物に連れて行かれました。
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なんと[Supported by All Japan Postal Labour Union-Kinki]と書いてあります!日本人だと知ってここに連れて来てくれたのでしょう。何も知らなかった私たちは、とりあえずこのカルチャーセンターにお邪魔することにしました。
実は私たちはチェンマイでの写真展の他に、撮影させてもらうこのセンサイ村の人々にも撮った写真を見てもらいたいと思い、ナイトスライドショーをしようと考えていました。そのため、チェンマイ駅で写真展をしたいという事の他に、そのスライドショー開催の許可、場所の確保をする必要がありました。(本当は出発前に、タイ出身のうちの学校の留学生、トン君伝いで写真を撮る許可はもらっていたのですが、うまく話が通じていなかった様で、一からの交渉となりました。)
カルチャーセンターには読書スペースとインターネット環境が備わっており、たくさんの子どもたちで賑わっています。そこで働いていたチェーンさんに村の撮影、チェンマイでの写真展開催、ナイトスライドショーについてお話をしました。チェーンさんは英語が少ししかわからないのでネットで英語をタイ語に翻訳しながらの交渉となりました。言葉の壁のせいでコミュニケーションは難しかったのですが、話の内容がわかるとすんなり、笑顔でOKして貰えました。許可が出たのでさっそく村の撮影と、スライドショーの宣伝活動にかかります。
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わたしはチェーンさんと一緒に村の人に宣伝活動をしました。右がチェーンさん。
村を歩くと、家の前や広場で刺繍を刺したりミシン縫いをしている人をたくさん見かけます
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ロケハンしながら撮影し、ナイトスライドショーの開催場所の候補を探し、宣伝活動をしながら村を回り、初日のセンサイ村滞在は終了しました。2日目はパヤオ市内班とセンサイ村班に分かれて撮影。センサイ村最終日となる3日目は全員で村へ行き、撮影、スライドショーの作成、設営、開催というハードスケジュールをこなそうとしていたのですが、このメンバーでそう順調に事が運ぶわけもなく、事件がたくさん起こり、、、
といったところで今日は疲れたのでブログはおしまい。
さて、私たちの社会貢献活動はどうなるのでしょうか。
センサイ村最終日からチェンマイ写真展の話は次のブログに書きたいと思います。
ではでは、おやすみなさい。