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2014年3月9期生引率スタッフ

8日目 高雄から台北へ / Day 8, From Kaohsiung to Taipei

台北より冨田がお伝えします。 
 
 
 
昨日、南部の高雄より台北に戻ってきました。
 
 
 
 
 
 
高雄での最終日、自然と足が向いた場所がありました。
そこは『新堀江』という若者たちが集まるエリアで、東京で言う渋谷や原宿の
ようなところです。
その場所は今から6年前、自分自身が学生としてフィールドワークに参加して
いる時の高雄での撮影地でした。
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その前日、定時連絡(学生の安否確認のため、週3回実施している引率者への連絡)
の際にある学生と撮影の話になりました。
半年間にも及ぶ海外フィールドワークはまだ始まったばかりですが、彼は自分の撮影
に対して焦りを感じていたようでした。
「焦る必要はないよ。まだまだ時間はあるから。」
彼に対してそう言いながら思い返されたのは、6年前の自分の状況でした。
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彼と同じく、自分のすべてをこの撮影に賭けるというほどの意気込みでのぞんでいた
私にとって、この新堀江での撮影のつまづきは、焦燥感を募らせるには十分なもので
した。
「焦る必要はない。まだ時間はある。」
そして同じように、日本から多くの方々にこの言葉をかけてもらいました。
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その後の撮影も、上手くいくこともあればそうでないときもありました。
当たり前のことかもしれませんが、長期に渡る撮影とはこの繰り返しでしかないの
かもしれません。
そして、いくら他人に「焦るな」と言われたところで、本人にとっては慰めにもな
らないことも、また当然のことでしょう。
 
かつての私がそうであったように。
 
 
撮影における”手応え”などという曖昧極まりないものの感触は、触れた手にその感覚
が残ることは稀で、うっすらとしたその実態のない感覚に浸ることなく、次の撮影へ
と意識を向けられるか否かが勝負になるのだと思います。
 
 
 
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そういう意味では、海外フィールドワークにおける焦りというものは、日々淡々と続け
ることが作品作りの明暗を分けるなか、ある一つのモチベーションともなり得るのかも
しれません。
そして台北・西門町
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6年前の私は、ここではじめて、”その感触”を感じられたのかもしれません。
『吉凶は糾える縄の如し』という言葉の通り、 台湾という最初の訪問国において
吉凶の両面を味わえた私はある意味では幸運だったのかもしれません。
ただ一つ言えるのは、日々、撮影対象とも自分自身とも向き合い続けることでしか、
縄の両面を見ることはできないということ。
彼と話しながら思い巡らせ、時を経てかつての現場に立ち、そしてたどり着いた結論は、
やはり、あまりにもシンプルなことでした。
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追伸
Yくん そうは言っても焦りすぎないようにね!!