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2018年8月堀川 渉

ローソクの火

 

ローソクに火を灯してみてください。

 

芯の先で丸く淡い輝きを発し、次第に炎は赤々と成長して、芯を降りていきます。

 

そして、美しい流線形を作り上げた後に、自らの命を削りながらも全エネルギーを費やして凛々しいまでに燃え盛ります。

 

少しくらいの風には炎を揺らめかせながらも耐え忍び、謙虚なまでに灯を保ち続けます。

 

次第に気化が進み、体が萎縮化してしまっても、その力を緩めません。

 

しかし、やがて老いが始まります。

 

炎は急速に萎んでいき、最後の力を振り絞るように一閃の光を投げかけた後に、その生涯を終えてしまいます。