ローソクの火
ローソクに火を灯してみてください。
芯の先で丸く淡い輝きを発し、次第に炎は赤々と成長して、芯を降りていきます。
そして、美しい流線形を作り上げた後に、自らの命を削りながらも全エネルギーを費やして凛々しいまでに燃え盛ります。
少しくらいの風には炎を揺らめかせながらも耐え忍び、謙虚なまでに灯を保ち続けます。
次第に気化が進み、体が萎縮化してしまっても、その力を緩めません。
しかし、やがて老いが始まります。
炎は急速に萎んでいき、最後の力を振り絞るように一閃の光を投げかけた後に、その生涯を終えてしまいます。