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2018年3月堀川 渉
桜を観ない春
桜は『源氏物語』や『古今和歌集』でも取り上げられ、江戸時代の浮世絵によって庶民のものとなりました。
桜は古くから人々の暮らしに寄り添い、日本人の桜に対する感性や文化も築かれていきました。
春という季節に、瞬く間に咲き、あっという間に散る。
この桜の儚さを美と捉える感覚こそが、日本文化の根源とも言えます。
それ故に、“無常”という世界観を見出す対象として、桜という花は、日本人にとって特別な存在です。
2018年の春、私はその桜の花を観ることが出来ません。
東南アジアへの旅の期間中、遠く離れた空の下より、我が祖国を常に想い撮影に励むことを誓います。
使用カメラ:OLYMPUS Tough TG-5