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2017年3月小山 幸佑
1+1=
2017年3月10日、卒業式。
自分は現役で入った訳ではないので「卒業式」というもの自体が久しぶり。
そして同時に、恐らく人生最後の卒業式でもあります。
小さな頃から頑固で理屈っぽい子供でした。白黒ハッキリしないこと、効率の悪いこと、答えのないことが嫌いでした。
小学校の卒業アルバムには、将来の夢を「かがくしゃ」と書きました。
少なくとも、芸術系の道にだけは絶対に行かないだろうと思っていました。
1+1=2の世界でひとつの道を極めよう。
そういう世界にしか自分のような面倒臭い人間の居場所はたぶんない。子供ながらにそう考えていました。
色々な理由からその道を諦め、煮え切らない想いと焦燥を抱えながら過ごす中ひょんなきっかけで写真と出会いました。
もともと一時期は放浪のようなことをしていた自分。旅は好きでした。
「写真を理由にすれば色々な場所に行ける、カメラが世界を広げてくれる」そういう理由から写真学校に入学しました。
結果的にそれは事実でした。
しかし広げてくれたのは物理的な世界だけではなく、それ以外の、自分が今まで見ようとしてこなかった世界です。
2度目の一時帰国の時、フリー期間を目前に、ゼミを担当して頂いた鈴木先生がおっしゃった一言を思い出します。
「自分を信じろ」
使い古されているけれど、僕にとっては重い重い言葉です。
結局、曖昧なものを信じられなかったのは外の世界へではなく自分の内面への態度の表れ、そのものだった。
1+1=2の物事だけを見て安心することでそれ以外のことから今まで目をそらしていたのだ、と。そう気付きました。
自分を信じること。写真を信じること。目に見えないものを信じること。
このことを教えてくれた写真というものに感謝しています。
それに、夢中になれるものがある、ということがどれだけ人生を豊かにしてくれるか。
それを謳歌できたこの3年間は、自分の人生の中でも最も濃い年月のうちのひとつとなりました。
でも人生を豊かにしてくれるものはそれだけではありません。
同期の7人。彼ら対して思うことは…色々ありすぎて。さよならを言った後に今さら、もう言葉にするのも照れくさい。
お互いこれからも健康で、生きていれば、そしてできれば写真をずっと続けていければ良いなと思います。
みんなと同期で本当に良かった。ありがとう。またね。
さて、まもなく12期の出発が控えています。
後輩たちへの応援をよろしくおねがいいたします。
僕らも、ちょうど一年前はもうすぐ出発というまさにその時、期待と不安で胸を躍らせていたのを思い出します。
彼らにはこれから良くも悪くも想像もつかないことがたくさん待っています。
そのことが懐かしく、また、たまらなく羨ましいですが、よく考えれば今の自分も同じ状況です
彼らのブログを楽しみにしつつ、僕も新しい環境で頑張っていきます。
まぁフィールドワークを乗り越えたんだからこれから先何でも乗り越えて行けるでしょう!!
ありがとうございました!