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2016年10月涌井 駿
心ジャケット
夕方町を少し歩きました。夏より風が冷たくなってきてていつも通り夜中まで一緒に遊んでいる友人は目を覚ますと疲れたと言い少し風邪気味になっていました。町中を歩く人、ランニングしてる人、買い物をしてる人、何処かへ行くと言うよりは足早に家に帰る様にも見えました。先週まで汗をかくほど暑くて早く涼しくならないかなと思っていました。けれど涼しくなるとなったで何だかこれまでの激しかった半年間の夏、半年の写真旅行が終わったんだなと改めて実感しました。虚しい気持ちほんの少々、達成感少々、写真への決意多々。終わったと言うより本当に始まったんだなと日々痛感よりも快感しました。耳にする音楽は少し寂し気で食べ物は少し温かいものを好むようになりました。
夏は日が長くていつまでも暑くてどこへ行っても人がいて物音が絶えなくて自然と時間が過ぎるのが早かったような気がします。今ではもう夕刻五時になると真っ暗で。喫茶店に入りコーヒーを一杯頼んで小腹が空いたからフライドポテトを食べて店を出るともう夜で。夜は好きなのだけれどもここから始まる夜はあまりに長すぎて。そこまで寒くないのに少し厚めのジャッケとを羽織ったりして。それがまるで自分自身に被せているようで何を怖がっているんだろと、ふと自問自答してしまいました。
春から始まり夏に飛び、秋を通り冬を越す。なんて月日がすぎるのは早いのだろうか。少し悲しくなりました。何をしていなくても時間は過ぎるし何かをしていても時間は過ぎるし。季節は僕らにいたずらだし。心は移ろうし、どんどん加速するこの体感時間は止まらないのでしょうか。お母さんが作ってくれた温かいみぞれ鍋が食べたいです。