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2016年8月涌井 駿

この町の匂い

2度目の帰国から今は台湾へ向かう飛行機の中にいます。写真の講評を終え、友人や知人らと会い、2度目の2週間は激しく過ごした気がします。100人位あった気がします、気がするだけなんでしょうけど、その位のボリュームが2週間の中に詰まっていました。そして改めて東京を体感できた気がします。本当に色んな人が個々に物語を持っていて、それを直接聞くのもよし、人伝いに聞くのもよし、語らせるのもよし、自分の物語を語るのもよし、沢山の物語を垣間見れた2週間でもありました。それぞれが不思議でちょっと変わった主人公達で人ってこんなに面白いんだなとも思わされました。外国にいた時とは違い言葉が分かることの世界の広がり方がこんなにも大きなものだとは母国にいながら感動しました。目に見えているものだけが世界ではなくて、そこには数え切れないほどの世界が在るんだなと、そしてそれを耳で見て目で聞いてみたいとおもいました。

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そんなこんなで飛行機の中では後ろの席に日本人の就活の決まった女学生三人がいて台湾に着くまでずっと会話をしていてうるさく感じることもなくむしろ何かのラジオを聴いているようで楽しかったのですが眠くて寝てしまいました。目が醒めると既に台湾への着陸態勢に入っていました。天気のせいか操縦士のせいか今回は比較的揺れ後ろの女学生も「なんだか揺れるね」なんて言っていて可愛さを覚えました。

DSC07916blog台湾についてバスで台中へ向かいました。夜はすでに遅く飯屋もやっていなくコンビニエンス ストアで弁当と冷凍の餃子を買い温めてもらい夕ご飯にしました。あまり美味しくなかったです。

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夢の中で起きていたと錯覚していたので目が覚めたら思っていたより寝すぎていました。最近は夢を見ることもなかった僕ですが出発四日前くらいから徐々に見はじめています。神社の夢、口から髪の毛が出てくる夢、お祭りの夢、幼馴染が出てくる夢、化け物に食われそうになる夢、後輩(いない)に怒る夢。などなど一本づつの時もあれば色々繋がってる時もあります。

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誰に会うわけでもないんですが髪の毛をセットして歯を磨いて町へ、町へと出ました。町に会いに行くためのお洒落と思えばいいですかね。三度目の台湾、二度目の台中、町の匂いが懐かしくなりました。台湾ってすごく美味しそうな匂いがするんです。甘くてちょっと醤油っぽい匂いがします。夕方学校の帰り道、部活の帰り道に家々の台所から流れ出してくるあのご飯の匂いとはまた違う、日本よりもそんなに濃くない匂いです。うっすら醤油の匂いと焦げ始める一歩手前のこんがりとした匂いがあるような気がします。それは温かいおしぼりから湯気がたっているように町のあちこちから出ているように感じます。インド以外にこんなにも匂いを意識する町があったとはは新発見でした。DSC07982blog