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2016年7月小山 幸佑
All I Understand Is That I Don’t Understand
ジョドプールから満員御礼エアコンなしのまぁまぁ過酷なバス旅を経て西へ6時間。ジャイサルメールという街へ。
菱形のインドの最西端に位置するこの街はFWで訪れることができる日本から最も遠い場所。
すぐそこにはもうパキスタンとの国境が。
ジョドプールが「ブルーシティ」ならジャイサルメールは「ゴールドシティ」。
街の中央には砂上の楼閣じゃないけれど巨大な砂山の上に城砦が鎮座している古都のスタイルはジョドプール同様。
後付けで適当に張り巡らされた電線と、こんな辺鄙な場所の人々でも皆必ず持っているスマートフォン以外は、おそらく何百年も前から変わらぬ景色。
街に入ってまず「ディズニーシーで見たことある景色だなぁ」なんて本来逆であるべき感想を口にしている自分に気付き、十分何かに毒されているんだなぁと実感する。
昼間の撮影を終えホテルでシャワーを浴び髪や身体にまとわりついた砂を流す。カメラも砂埃まみれ。
せめてFWが終わるまでは壊れなければいいのだけれど…。
今夜の夕方からホテルのオプションプランで「キャメルサファリ」が体験できるというので
一緒に来ている涌井君と参加してみることに。
メインカメラが壊れてしまっては大変なので、出発前に砂の入り込みそうな所をテープで徹底的に保護して砂漠仕様に。
ちなみにOLIMPUS様から提供して頂いているSTYLUS SG-4はこんな時でもToughなので何の保護も必要なくそのまま持って行きました。なんなら砂の中に一度埋めて掘り返してもちゃんと使えるようなカメラです。
夕方にホテルを出て、街から更にパキスタンとの国境に近いエリアに広がる「タール砂漠」へ向かう。
これが今宵の乗り物。
ラクダの「こぶ」は意外と固いということを知りました。
必ずしも乗り心地は良くない彼らに乗り、しばらく行ってお尻が4つに割れるころ…
目の前の景色がだんだん「荒野」から「砂漠」に変わってきた。
こりゃスゲェ。
想像していたよりずっと砂漠。
一通り砂漠ではしゃいだり、植田正治ごっこをしたりして遊ぶ写真学生。
夕飯はもちろんカレーとチャパティ。何もない場所から手際よく作ってくれて感心。
サンセットを見届けたら、そのまま外で一泊し夜を明かすことに。
日が落ちてしまえば肌寒くなる砂漠。やることといえばもう星を眺めることくらい。
風で砂つぶ同士が擦れ合い舞う音は海の波の音に似ているから、音楽を聴く気にはならない。
今までのFWの旅のことや、いろいろなことを思い返してみたり。これからのことをぼんやりと考えてみたり。
意味もなく砂を掴んで投げてみたり。適当な星と星を繋いでオリジナルの星座を作ってみたり。
まだ誰も気付いていない宇宙の真理をもしかして発見したかもと思うか思わないかの頃にはもう眠りに落ちていた。
生まれて初めて「天の川」をこの目で見ることができた。
そういえばもうすぐ七夕だ。どの星が織姫でどれが彦星だっただろう。とうの昔に忘れてしまった。
朝起きると案の定、何もかも砂だらけ笑
未だに耳の穴から砂つぶが出てくるけれど、良い経験になりました。
来れて良かった。
リフレッシュできたので、明日からまた気合いを入れて頑張ります。