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2016年6月涌井 駿

雨の日の万年筆

2週間振り11回目の飛行機、三ヶ月間で11回も飛行機に乗るなんてなかなかない経験で毎回乗るたびに「あゝ今回で死ぬのかな」と思いながら離陸しています。
死んだら写真のデータだけは壊れないで欲しいなとか、大抵は海に不時着しちゃうからその時はどんな物が浮き輪代わりなるのかなと想像したりしています。バックとか飛行機のパーツの一部だったりとかなにか色々ありそうだなと思います。
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(飛行機の中で描いた飛行機の絵)
そんなに死を意識する事って日常生活ではあまりないとおもうんですけど飛行機に乗った時だけはしっかりと感じます。あとは車道付近を歩いてる時もなんだか少しソワソワしてしまいます。道路の工事なんかでショベルカーが土をトラックから降ろしたりしてたりしても「ショベルがこっちに振り向きすぎたら頭に当たって死んじゃうなあ」なんて思う時もあります。大きくて動いているものには自然と恐怖と言うかなにかそんなものを感じます。
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(飛行機の窓の絵)
「青年よ、なにもそんなに怖がる事はないじゃないか」と言い聞かせたいですが。
地元の駅前から自転車で帰る夕道。トンネルを潜ってキノコじいちゃん(父方の父)のお墓を通り過ぎるとき心の中でお祈りをして線路沿いを独り自転車をこいでいる時の空を飛行機が通る時がありました。飛行機が出す独特の音が何か怖くてなるべく早く自転車を走らせていました。
夏も終わると日が沈むのが早くて自転車をこいでいる時の汗は夜風には余りにもしっとりし過ぎていて何かが後ろにいるような気がしていつも一生懸命自転車を漕いでいたような気がします。
墓場を過ぎたあとの車修理の工場、秋になると何かを燃やす公民館の前の田んぼ、鉄格子で囲まれた何もいない小さな水貯め、小学校の裏の神社の木々と給食室の青い光、誰もいない校庭、一直線に家に帰る為の近道は怖かったです。
そのせいか1人で歩いていると必ず後ろを何度も見てしまう癖があります。なにも無いって分かってるんですけど振り向いてしまいます。

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東京最後の日は雨でした。青のインクの万年筆をもらいました。青のポールペンが好きなので日記の中は青色です。万年筆なんて貰ったことがなかったので嬉しかったです。少し大人に近づけたような気もしました。インクがサラッと紙に染み込んで、字が汚い僕でも字が綺麗に書けるんじゃないかと期待してしまいました。
リビングから見た外の雨の景色が忘れられません。