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2016年6月涌井 駿

稲木の中に隠れよう

日本に帰って早くも一週間ほど経ちそうです。東京は梅雨入りしたのか雨も降り、風は雨とグルになったかのように冷たい風を吹きさらしています。長い傘を毎日持ち歩くには億劫で知人から頂いたカーキー色の小さな折りたたみ傘がとても役にたちます。

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小学生の頃から傘を壊す常習犯で雨の降った帰り道は、水溜りに飛び込んだり傘を広げて水をすくっては友人達と雨水のかけあいをしていました。家に着く頃には全身ビショビショで傘も長靴も僕には必要なかったのかもしれません。

小学六年間、雨の日はそうやって過ごしていました。水溜りに飛び込んでは水溜りの水が無くなるまで何度も何度も何度も飛び跳ねては、靴の中に染み込んでくる雨を足の親指と中指の間で感じていました。雨を喜ぶ蛙達と一緒に僕らは雨を喜んでいました。

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けれど高校生にもなると雨で濡れることや靴が濡れることが好きではなくなってしまいました。「好きではなくなった」のではなく格好をつけ始めたかもしれないです。髪型を気にしてパーマをあてたり、靴はおしゃれな靴を履いて遊ぶことよりもお洒落をすることに熱中していました。

それでも無性に鬼ごっこをして走りたくなったり、隠れん坊や色鬼や氷鬼にドロケに何も使わなくても身体一つで出来る遊びが恋しくなっていた時がありました。別に今だって出来るじゃないかと思うかもしれませんがもう出来ないと思います。子供の頃はもう鬼から逃げること、隠れることに必死でそれしか見えていませんでした。それは僕だけじゃなくて周りの友人達もそうだったと思います。近所の家の庭を走り抜けたり、人様の家のベランダに隠れたり、田んぼの稲木に隠れたり、ズルして友達の家で休憩したりしていました。

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日が暮れても追いかけ合っていました。勉強なんて全くしなかったです。宿題もした覚えはありません。

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友人のお母さんが作ってくれたカレーパン。おやつはいつもオニギリか目玉焼きだったような気がします。