BLOG
2016年5月富永 諒
微笑みの国
タイに来てロクなことがない・・・
コンタクトを取ろうと思っている人からは返事がなく。
ムエタイを観て、強いオスへ憧れたと同時に熱で2日間ダウン・・・
無性にバンコクから離れたくなり、アユタヤへ行くことに決めた。
朝の電車。
2時間遅れ。
途方に暮れているとおばちゃんが寄ってきてタクシーで行きなと説得される。
なんとしても電車に乗りたい僕は断っていると、振替に出ることになった電車が出てしまっていた。
なんてついていないんだ・・・。
3時間遅れで出発することになった。
むしゃくしゃして車窓からの眺めを観ていると、横におじいちゃんと孫であろう二人組が横に座った。
「Present for you・・・」
ケタケタケタ。
横でおじいちゃんが笑い、孫が照れている。
「This boy.Present for you」
ケタケタケタ。
何を言ってるんだこのおじいちゃんは・・・。
僕が日本人だと気付いたおじいちゃんは僕に緑茶のペットボトルに入った何かをくれた。
グリーンティーグリーンティーとうれしそうだ。
例のヤツだった。
「Enjoy!」
とおじいちゃん。
どうしていつもこんな人たちばっか寄せ付けるのかと頭を抱えた。
そんなこんなでおじいちゃんの笑顔に飲まされ、降り際にマンゴーを持たされ、アユタヤへ着く。
一日トゥクトゥクをチャーターし、アユタヤを観光した。
この先、撮影どうするか。
このままでいいのか・・・
暑さの中、観光しながらもそんなことが常に頭をよぎる。
吐きそうだ。
決して電車で飲んだ例のヤツのせいではございません。
お寺を巡っていると、いつもだったら御祈りもせずに通りすぎていたのに、その時はなぜか祈りたくなった。
寄ってきたおばちゃんから線香を買い、FW11期の無事を祈った。
ついでにお守りの象の置物も買った。
決して買わされたわけでもございません。
(線香20バーツ、お守り二つ300バーツ 言い値)
ふと買っちまった感があふれてきてたまらなくなったが、仏像の顔が、電車で会ったおじいちゃんの顔に見えてきた。
「Enjoy!」
そう仏像に言われている気がした。
そうだ。ここは微笑みの国タイだ。
笑って、笑って。
急いで帰りの電車に乗って、ケータイをホテルのWi-Fiに繋ぐと、LINEの返事が返ってきていた。
さぁ急いでタニヤ通りへ行かなくちゃ。