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2016年5月小山 幸佑

Have you ever seen the rain?

ベトナム・ホーチミンから陸路でカンボジア・プノンペン入り。
次の日、11期全員でキリングフィールドへ。
カンボジアを周る前に、どうしても行っておかなければならない場所。

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このような場所に来た時感じるのは、虐殺そのものへの恐怖よりも、
人間という生き物はこうも残酷になれるのか、という事実に対する恐怖と恐れ。
 
 
人間は鬼や悪魔に変わることができる。
被害者には家族が居て、加害者にも家族が居ただろう。友人も、愛する人だって居ただろう。
愛に満ちた平和な暮らしからは想像できないほどの恐ろしい残虐性を誰しもが持っている。
この場所がその証拠で、おびただしい数の人骨や衣服の欠片、数々の証言、かち割れた頭蓋骨たちが物語っている。
その事実を突きつけている。これはあなたたちと同じ、人間のしたことなのだだ、と。

それを忘れて、自分たちは神聖で正当なことをしているのだと信じて疑わなくなったとき
人間は人間でなくなってしまうのだと思う。
 
 
憎悪、怒り、暴力。
それらから目を背けず、誰もが持ちうる感情のひとつとして認めるところから始めるべきだと思う。
なぜ多くの優しいカンボジアの青年達が、隣の老人を嬲り殺し父や母や弟を売り渡し幼馴染の女を強姦するに至ったか。
「暴力反対」「戦争反対」なんて呪文を唱えるだけでは決して止めることはできない。
人間の心に一体何があったらそのようなことができるようになってしまうのか。それをきちんと直視する。考える。
その時やっとそうならないためにはどうしたら良いか考えることができるようになると思うのです。
こういう場所は、そのためにあるのだと思います。