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2016年4月久保 勇人
南へ
風景が変わらない
それはとても退屈なことだ。
街から街へ荷造りをしている時はどこか切ない気持ちになる。
その街との別れが惜しいのか、やり残したことがあるからなのか。
バスに乗り込み車窓から見覚えのある街並みを眺めながらふと考える。
僕はここで何をしていたのだろう。答えは特に何も。
もどかしさを抱えながら淡々と日々が過ぎていってしまう。食っても食っても満たされないこの複雑な空腹感に「腹いっぱいだ。もう充分だよ。」と言わしめることは僕に出来るのだろうか。
半ば逃げ出すようにして南の街へ向かう。
風景が変わる
その街で知り合った一人の女性ダイバーが興味深いことを話していた。
「地球上の72%は海の中だよ。あなた達がいくら地球上にスタンプを押したところで所詮世界の30%ほどしか理解したとは言えないのだよ。」
少し反感を持ったが、そんな見方もあるんだなと思った。
明日からロンサレム島という離島へ行く。
世界の72%を少しでも理解したいと思う。