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2016年4月秋元 直登
束の間の雨
カンボジア・プノンペンから秋元です。
私は低所得者層が暮らしているアパートを撮影しています。このアパートは1960年にロシア人によって設計され、建てられました。その後、改修工事などが一切されず、崩れる危険性がかなり高いらしい。ここに住む住人は4ヶ月に一度、約150ドルほどの家賃を払っているそうだ。中には勝手に居住スペースを増設したり、家賃を払わない人もいる。
私は個人撮影期間が始まってからこの場所に通っている。このアパートに入った瞬間から、廊下や階段には生ゴミや汚物が散乱している事に気がつく。とても汚いし、臭いもなかなかの物だ。こんな環境で生活せざるを得ない人々の事を思った。しかし、私が感じてきた貧しさとはまた違った表情が伺える。何故こんなに皆元気なのだろう?
アパートの中には多くの子供たちが見受けられらた。日中は仕事に出かけた夫の帰りを待つ主婦や、共働きの家族のおばあちゃんが子守をしている。小学校に通う年齢でない子、お金がなくて小学校にすら行けない子。大人の女性達が皆で子守をしているので、誰が何処の家の子供か分からない。部屋こそセパレイトされているが、皆が助け合い共存している。
しかし、こういった体系の居住地には、必ずダークサイドも存在する。身を売る女性達や、夜な夜な現れるギャング達。彼らの表情や視線、独特の雰囲気には深い闇を感じた。
正直、撮影地について、まだまだ掴み切れていなのが現状だ。11日間で何処まで理解できるのだろうか?それを言っては元も子もないが、出来る事はしなくては。誰かが言った「フィールドワークとは、大いなるロケハンだ」と-
この写真は屋上にて。
連日太陽が隠れないプノンペン。そんな夕暮れ時、突然スコールが。子供たちはダッシュで屋上に集合。20分位降り続け、何事もなかったかのように晴れ渡る。雨が上がると、つまらなそうに子供達が引き上げる。