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2014年9月菅原 由紀
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こんばんは。
本日も始まりました、ぽんさんぽ。
FWも残すところあと10日となりました。
撮影出来る日数は実質1週間をきっています。
今回は、私がカンボジアにて撮影場所とさせて頂いているゴミ山の様子をお送りします。
「ゴミ山」と聞くと、フィリピンにある「スモーキーマウンテン」を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、スモーキーマウンテン以外にもゴミ山はたくさんあります。
私が今訪れているゴミ山はカンボジアのシェムリアップにあります。
シェムリアップの市街地から車で約30分くらいのところにある、アンルンピー村
その場所にシェムリアップの様々な場所からゴミが集められてくる「ゴミ山」があります。
訪れる前にネットで調べたり、人に聞いたところ、悪臭がひどく、ハエがものすごい量いて・・・
などの情報を得ていたので、それなりに覚悟して向かいました。
実際は思ったほどでもなく、準備していったマスクも必要ないほどでした。
たしかにハエはものすごい量いますが、ゴミがたくさんあるのだから当たり前です。
敷地の範囲的にはそこまで広くはないですが、ここまで大量なゴミが集められているのは始めて見たので衝撃は受けました。
そしてさらに衝撃を受けたのは、ゴミ山と細いあぜ道1本隔てて大量にお米が育てられているということでした。
このお米が売られているのか、ここで暮らす人々が食べているのかはわかりませんが、ゴミ山で燃やされたガス等が直にお米に降り掛かっていると思うと・・・
しかし、農薬のことを考えれば・・・どうなんだろうと複雑になってしまいました。
ゴミ山から少し離れた所にいくつか家があり、そこから通う人もいれば、ゴミ山のすぐそばに木とシートで家を建てて暮らしている人もいます。
ゴミ山で働く人は、毎日ゴミ収集車で集められてくるゴミの中から、プラスチックやペットボトルなど再利用出来るものを分け、ベトナムの再利用業者に売って収入を得たり、生ゴミは家畜のエサにしたりしているようです。
元々ここの村で暮らしている人は、田んぼを持っている人もいて、お米などを育てているのだとか。
私は現在ここで働く子どもたちの撮影をしています。
ゴミ山を訪れた初日はとても暑く、ぐるっとゴミ山の周りを歩いていると、子どもたちは元気よく水遊びをしていました。
ここの池もゴミ山のすぐ隣にある所です。
みんなで飛び込んだり、友だちを投げ込んだり・・・
とても楽しそう!
そしてある程度遊ぶと、みんな一斉にあがり、それぞれ一度家に帰って行きます。
次に出てきたときは働く姿になっていました。
腰に袋をぶら下げ、片手にはゴミを分別する時に使用する先が尖ったクワのようなものを持って、長靴を履いています。
すると、まもなく遠くからゴミを積んだトラックがやってきました。
そのトラックが到着すると同時に、どこからともなく人々が集まってきます。
こんなにいたのか!というくらいの大勢の人です。
大人から小さい子どもまで、男女共にみんな一ヶ所に集まります。
ゴミがトラックから降ろされると、みんなゴミをかき分けて行きます。
その勢いといったら!
さっきまで池でふざけ合ったり、大声で笑いながら遊んでいた子どもたちも大人に負けず、真剣な表情です。
プラスチック類を拾う人、生ゴミを拾う人など、人によって分けるものが違うようでした。
子どもたちはおもちゃになりそうなものを拾ったら遊んでみたり、教科書やノートを拾うとじっくり眺めたり・・・時にはまだ中身が入っているお菓子の袋を拾うと中身を確認して食べちゃったり。。。
ゴミを見てみると、日本語学校のものなのか、日本語がたくさん書いてあるものがあったり、日本人向けのクメール語の指差し本があったり。
中には、注射器やその他危険物も多くありました。
大きな袋ごとにゴミを分け、その置き場所もそれぞれ分かれているようでした。
子どもたちも大きな重い袋を自分たちで運びます。
インターネットの情報によると、ここのゴミ山には1日12~13台ほどのトラックがやってくるようです。
プラスチックなどの再利用出来るものは1kgでだいたい100リエルで売れるそうです。
(ちなみにカンボジアの通貨、リエルは4000リエルで約100円なので、100リエルだと2~3円ほど)
お金は、それぞれ集めた人や運んだ人などにうまく分配されているようでした。
私はここに来るまで、ここで働く子どもはどんな子どもたちなんだろうと想像していました。
貧しい子どもたちでかわいそうな子どもたちと心のどこかでは思っていたかもしれません。
しかし、実際にここを訪れ、子どもたちと関わってみると全然かわいそうなんかじゃない。
むしろそう思った自分がアホか!と思いました。
ここの子どもたちは家族もいて友だちもいる。
遊ぶ場所もあって家もある。
食べるものもある。
色々教えてくれる大人もたくさんいる。
そして、働いてお金を稼ぐことも出来る。
どのこどもたちもみんな幸せそうな笑顔が溢れていました。
もちろん衛生的には良くないかもしれないし、身体に影響を及ぼすことだってあると思います。
全然幸せだと思っていない子どももいるかもしれない。
でも、私が見る限りではその辺の子どもよりよっぽどたくましく強い子どもたちでした。
毎日重労働かもしれないけれど、その分体力はつき、学校で教わることよりも生きて行くために大切なことは、日々周りの大人が教えてくれます。
危険なことや知識だって、ここで生活しながら身をもって体験し、成長していきます。
全力で遊び、自分が生きるために働く。
そのことをここで生きる子どもたちは知っています。
「幸せってなんだろう」
私の頭にはそんな言葉が浮かびました。
お金持ちになること。
家庭を持つこと。
夢を追いかけること。
人にはそれぞれ「幸せ」と感じることがあり、それは人それぞれ異なると思います。
ここで暮らす子どもたちは、日本で暮らす人々から見れば幸せではないと思うかもしれません。
実際にどうかはわかりませんが、少なくとも彼らは決して不幸ではない。
私はそう感じました。
そして彼らが暮らすこの場所は彼らのホームなのです。
何かを考える時、もちろん自分のものさしも大事だけれど、そのものさしでは計り知れないことがこの世の中にはたくさんある。
それを気づかせてくれたのは、このFWでした。
そんなFWもいよいよ終わりが近づいています。
残りの日数、悔いのないよう全力でがんばりたいと思います。