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2014年8月本田 直之

つながっていくメディア

你好。本田です。





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中国では英語の通じない人が殆どだったこともあり、広東語と英語が公用語になっている香港はとても過ごしやすかった。現在では香港も中国の一部ではあるが、香港の人間は自分達のことを香港人と呼ぶ。正式名称は中華人民共和国香港特別行政区。
これはマレーシアとシンガポールを訪れた時にも感じたことだが、シンガポール人、香港人はそれぞれのアイデンティティーをしっかりと持っている。それを目の当たりにすると、はたして私を含む日本の若者は日本人としてのアイデンティティーを持っているだろうかと考える。私自身、日本人としてのアイデンティティーは三月に日本を発ってから徐々に芽生えてきたように思う。島国であり隣国となると海の向こう、外国が身近にないという理由だけで日本人としての自分に疑問を持つことは、日本での生活に於いてあまりなかった。

香港返還十七年目の今日、二十一歳を迎えたばかりの友人が出来た。同い年の彼女は旅行系の専門学校を卒業し、現在は日本語学校へ通いながら週六日のアルバイトをしている。来年四月に留学生としての渡日を目指しているらしい。これまでに三度も日本を訪れており、日本が好きだと言う彼女の日本語は、日常会話は勿論難しい話題も申し分ない。それ程喋れるのになぜ今でも日本語学校へ通っているのかと尋ねると、「敬語が難しくてまだ出来ないから」と云う。確かに日本人でさえ尊敬語や謙譲語、丁寧語などややこしいことこの上ない。
そんな彼女とは様々なことをお互いに質問し、答え、意見を述べ合った。私からの質問は主に香港と中国についてであり、彼女からの質問は日本について。その会話の中で印象に残っている言葉がある。
ーー中国本土の人達が増えてきた香港はこれからどうなるの?
「私の友達もたくさん外国へ移住していったよ。私も将来は日本に住みたいと思ってる。これからもっと時間が流れて中国人が増える。そうなれば香港人は移住や、色々な形でもっともっと減ると思う。でもそれは仕方のないこと。」

日本にいた頃の私なら中国と香港の関係や現在など微塵も興味がなかった。感じ取ること、考えること、興味が湧くものに少しずつ変化が出てきたのかもしれない。





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